こんにちは。Books DANTALIONの堺です。
だんだん寒くなって来ていますね。
さて、先日、奈良の路上詩人【もーちゃん】を訪ねて奈良の高田市駅まで遊びに行ってきました。
夕闇に包まれて、家路に着く人たちが目立つようになる午後7時。商店街のシャッターも降り、なんだか寂しくなって来た頃、
背の高い、一人の男の子がカートを引いてやってきます。

開店準備が整いました。

路上詩人と言う言葉を聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、駅や公園なんかで道に座って紙とペンを用いて即興の詩をかくアーティストのことです。

関西だと、大阪の梅田の陸橋や、難波の商店街。兵庫県だと三宮の駅前で彼らを見かけた記憶があります。路上詩人と言うと黙々と作品を書いていたり、じっと座っている印象がありますが、もーちゃんもお客さんが来ない時はじっと座っています。

ところで、路上詩人は正直それほど珍しい路上アーティストではありません。イラストを書いたり雑貨を作って並べているアーティストと比べると少し数が少ないくらいでしょうか。

でも、もーちゃんはどこか普通の路上詩人とは異質なアーティストだと思います。

初めて彼と会った時は一年前の冬。知人の紹介で出会いました。正直、路上で何かをする人をよく見かけていたのでそれほど作品もアピールの仕方も特別違いを見出せませんでした。

しかし、もーちゃんとお話をしていると一つの違和感に気づきました。もーちゃんとお話をしていると、ちょくちょく会話が途切れるのです。それは、もーちゃんの近くを通る人と、もーちゃんが挨拶や会話をしているからです。

20代の会社や学校帰りの男の子、女の子から、制服姿の中学生、高校生、近所のおじさんからおじいさん、おばちゃん、商店街の人、タクシーの運転手……みんなが声をかけていきます。
もちろん、一瞥もくれずに通り過ぎる人も多いのですが、それにしても彼ほど老若男女問わず、声を掛け合う路上アーティストは知る限りでは彼だけです。世間話をする人もいれば、誕生日プレゼントや餞別をお願いする人、自分への戒めのために言葉を記録する人……。本当にありとあらゆる人が彼のもとに集まります。
そして、もーちゃんは、その人たちがどんなことを普段している人かを事細やかに覚えていて、あの人はこういう人だよ。と、いつも教えてくれます。それもいつも何かエピソードを付けて紹介をしてくれるのですが、こんな風に自分を誰かに見てもらえていると幸せだなと思う伝え方を、もーちゃんはしてくれます。

この日も色々な人に会いました。
少し、ご縁があった人を紹介しますと、根木さんという車イスバスケットボールの方。シドニーパラリンピックでは、男子車椅子バスケットボール日本代表チームのキャプテンを務められたそうです。
【根木さんブログ】
http://adapted-sports.blog.eonet.jp/

そして、徳島の高校に通っている野球部の男の子。インフルエンザによる学級閉鎖のために奈良に帰ってきているところを通りがかって来てくれました。とても、礼儀正しい男の子で後からやってきたその子のお姉ちゃんも高校生でしたが、すでに大人の対応ができる立派な高校生でした。

ちなみに男の子もせっかくなので、と、もーちゃんに詩をプレゼントしていました。


初めて、誰かに詩を書いてもらったという、もーちゃんはとても嬉しそうに大事に大事に色紙を袋に入れてしまいこんでいました。
特別、何かをしているわけではなく、毎日毎日、路上で詩を書いている奈良の男の子。駅からすぐのところにいつも彼は居て、ついつい今日も話しかけてしまう。話しかけたことはないけど、いないと寂しくなってしまう存在。そして、人と人を繋ぐ存在。(ちなみにその徳島の男のが詩を書いてもらっているときに彼の地元の友達が偶然通りかかり、何やら再開を楽しんでいました。)彼の周りにいると、やんちゃな子も疲れてしまったお父さんも恋をした女の子もみんながまたいつもの日常にエネルギーをもらって家に帰ることができます。だからこそ、路上詩人と言う枠で彼を括るよりも街のシステムのように感じる時があります。

人と人を繋ぐ人。
言葉でそれが出来る人。

あなたもぜひ一度、もーちゃんに会いに行ってみて下さい。


【もーちゃんBlog】

http://31.xmbs.jp/moochan/

【もーちゃんBlogより、お客様の声】

http://31.xmbs.jp/moochan-5060-d_res.php?n=257288&view=1&page=d2&guid=on